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流通業・流通システムにおけるシステム設計の実務ノウハウが満載−流通工房

<基本構想>
【共通の資料
<早瀬>
これからの作業の中でいかに「共通の資料」を作るかがひとつの重要なポイントになる

<吉田君>
共通の資料ですか?

<早瀬>
そうだ。例えば詳細設計や開発フェーズではデータ構造やロジックを考えるときには
必ずERDやデータフロー、要件定義書などを見るだろ?
つまり、その作業に参加するメンバーが共通に見て考えたり、意見交換をする資料と
いうものが重要になる


【ポイント】
資料としては上記の詳細設計〜開発フェーズのものを除けば大きくは以下の2つが重要

1.基本構想〜システム化計画
  課題や問題点の体系化、その解決方針の検討などのための資料
  これは、できればこのフェーズで使う部屋を1つ用意をしてもらい、その部屋に
  模造紙をはり、そちらに課題、問題となっている業務のフローやポイントを直接
  書いたり、あるいは課題、問題点と感じていること、それに対する解決案を付箋に
  みんなで書き込みそれを貼りつけたりする。

  そして検討する際にはみんなでそこに集まりそれを元に検討、議論をする。
  これは3つのメリットがある

  (1) 共通の資料を見ることで、顧客内、そして顧客と私たちの一体感をもつことが
    できる。特に、机に座って個別に資料を見て意見を交換するよりも貼り出した
    模造紙の近くまで行き「ああだ、こうだ」と意見をやり取りしたりそこに書き
    込むといった行為は「参加意識」も芽生え、思っている以上に白熱した議論に
    なっることが多い

  (2) 顧客側のメンバーでPLとなるクラスのメンバーや企画室などの人は別だが
    それ以外の各現業部門からの参加メンバーは会社としての全体の業務の流れ
    課題などは見えていないことが多く、そういったときのベース資料となる

  (3) プロジェクトには顧客の経営TOP、PLリーダ、そして各現業部門など普段は
    一堂に会して何かを検討したり、決めたりすることが少ないメンバーが集まる。
    そして、さらにそこには私たち外部の人間が加わっている
    それらのさまざまな背景、経験、視点を持った人たちが議論をし、検討をする
    際に共通の資料=よりどころがあることで、その視点、考える内容のブレが少なく
    なる

    例えとしては稚拙だが例えば

    『山を登る際の留意点は何か』

    といったときに特に具体的なものがなければ、自分の田舎の山を想定するメンバー
    もいるだろうし富士山を想定する人もいるかもしれない。登山部にいた人は、さま
    ざまな難しい山を想定するだろう。しかし、そこに富士山の絵を描き、それぞれ
    何合目まで登る上での留意点はなんだろうか、付箋に書き込みそれぞれのポイントに
    貼っていってみよういってみようといったほうがより具体的にもなるし、議論は
    盛り上がるでしょう

2.要件定義〜基本設計
  このフェーズは「業務」→「システムロジック」への変換の重要なフェーズになります。
  そして、流通業においては物の流れ、業務の流れが非常に重要です。

  また、システムは汎用機、オフコン、クライアントサーバーの2層、あるいは3層など
  技術要素でみるとさまざまですが、その根本は

  ・データを流す
  ・データをためる
  ・データを見せる


  の3つです。シンプルです。

  私としてはひとつの業務の流れを関連する部署を明確にした形で記載をした
  業務フローをこのフェーズにおける重要な共通資料のひとつにすることが多い。

  それを見ながら物の流れ、業務の部署ごとの連携がこうなっているからこの部分の
  データはリアルで流す、ここはバッチ処理で一括して処理をする、データはこの
  単位で保持し保持期間はこれくらいは必要であろう、データはこのロケーション
  と用途からはPC画面でよい、GOTなどの携帯端末を検討しよう、現場で帳票出力を
  しようといったことを検討します。

  そして、どういった処理単位、DB構造、OUTPUTにすべきかで悩んだときは必ず
  自社のメンバーあるいは顧客含めた打ち合わせでも皆でその資料を持ちより
  それを見ながら考えることで1つの共通の視点を保つとともに、物の流れ、業務の
  流れとUI、データの流れが乖離するリスクも軽減することができます。

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